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2012年02月01日

国立劇場おきなわ平成24年1月公演:「執心鐘入」と「手水の縁」

国立劇場おきなわ平成24年1月公演において,「執心鐘入」と「手水の縁」が演じられた.

それぞれについて,手短にコメントする.

まず第一部「執心鐘入」について,立ち方は(1)若松・宿の女は良い演技を見せていた.(2)座主は若松が助けを求めて来る場面で,座主の落ち着きが感じられず,唱えも一瞬切れてしまった.また,声が細く,座主のそれには合わない様子であった.(3)練習不足のせいなのか,小僧三人の同時進行の演技がスムーズではなく,ぎこちなかった.

地謡の(1)歌・三線は,これも練習不足のせいか,どっしりとした荘重さがなかった.珍しいことに,二番目の干瀬節を音程狂いで歌い出し,回復できない状態で歌い続けた.もう一人が応援で歌ったけれども,その二人の三線が調和していなかった.さらに,終幕近くの散山節にも野村流の荘重さは聴けなかった.(2)終幕における太鼓の囃子は止めたほうが組踊としては趣がある.座主・小僧達の必死の祈りが掻き消されてしまう.通常は,歌・三線でさえ,唱えの間は小さく弾き・歌うことになっている.

立ち方指導:金城 清一

配役

中城若松:西門 悠雅
宿の女:田口 博章
座主:金城 清一
小僧一:上江洲 勝
小僧二:阿嘉 修
小僧三:呉屋 智

地謡

歌・三線:銘苅 盛隆,糸数 昌治,吉元 博昌,吉野 久一
筝:米須 幸子
笛:金城 裕幸
胡弓:当間 嗣友
太鼓:國場 秀治



次に第二部「手水の縁」について,立ち方は,山戸・玉津をはじめ,山口の西掟・志喜屋の大屋子が一体となり,聴く人・観る人の涙を誘う素晴らしい演技を見せていた.

地謡は立ち方と比較して,やや物足りなく,声には,「手水の縁」に相応しい強烈さの部分が足りなかった.

立ち方指導:比嘉 良雄

配役

波平山戸:嘉数 道彦
盛小屋の真玉津:佐辺 良和
志喜屋の大屋子:宇座 仁一
山口の西掟:金城 陽一
門番:仲村 圭央

地謡

歌・三線:宮城 康明,宮原 弘和,宇栄原 宗勝,喜瀬 学
筝:宮城 秀子
笛:仲田 治巳
胡弓:新城 清弘
太鼓:喜舎場 盛勝


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Posted by kariyushi-village at 20:27│Comments(0)組踊
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